人がお亡くなりになると、相続が開始します。
法律では、お亡くなりになった方を「被相続人」といい、被相続人の子供や配偶者など、相続を受ける権利のある方を「相続人」といいます。
相続が開始すると、死亡届を提出した後も、被相続人の状況により、色々な手続きをする必要があります。
被相続人名義の土地や家屋などの不動産、預貯金など遺産がある場合は、その名義変更が必要になります。
また、場合によっては、相続税の申告・納付が必要となります。
ご身内の方がお亡くなりになることは、お気持的にも大変な時期が続きますが、そのような中でも、必要な法的手続きをしっかりと進めていくことが、残されたご家族のため、そして、お亡くなりになった方のためにもなると思いますので、専門家へご相談されることをお勧めいたします。
以下、一般的な相続手続きの全体の流れになります。
なお、不動産の相続、相続放棄、遺産分割調停については、別途詳細ページを用意しておりますので、以下の流れに目をとおしていただいた後にご覧ください。
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出しなければなりません。 | |
遺言書の有無により、その後の手続きが変わってきます。 遺言書には、公証人役場にて作成した公正証書遺言、被相続人が手書きした遺言の2種類が一般的です。手書きの遺言であっても、一定の要件を満たしていれば遺言の効力は公正証書遺言と変わることはありません。 ただし、手書きの遺言の場合は、家庭裁判所にて遺言書の検認という手続きを行う必要があります。また、遺言が封印されている場合は、家庭裁判所の検認日に開封しなければなりません。 |
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相続財産を把握することは、相続手続きにおいて、非常に重要な作業です。 相続財産をしっかりと把握することで、その後の相続人間の遺産分割協議へとスムーズに移行していきます。また、相続財産は、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(すなわち負債)も含みます。負債の把握ができていない状況で、安易に預金等のプラス財産を相続してしまうと、あとで相続放棄をすることが難しくなってしまいます。 |
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負債が多いなどの理由で相続する意思がないときは、家庭裁判所へ相続放棄の申立を検討します。 相続放棄の申立は、相続の開始を知ったとき(または相続する財産があることを知ったとき)から3か月以内に申し立てる必要があります。なお、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も相続するという限定承認という手続きもあります。 相続放棄の詳細はこちらをご覧ください 相続放棄 |
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被相続人が、自営業者や賃貸収入などがあり確定申告が必要な方である場合は、相続人が、1月1日から死亡日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。 | |
被相続人の出生から死亡に至るまでのすべての戸籍・除籍・改製原戸籍等の書類(相続を証明する書類)を集め、公的な書類により、相続人を確定します。 諸々の事情により、相続人に知らされていなかった他の相続人が発見されることもあります。 |
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相続税について検討を始めます。 相続財産の価額が、明らかに相続税の基礎控除額に満たない場合は特に問題ありません。一方、相続財産の価額が、相続税の基礎控除を超える場合は、税理士への依頼も検討していきます。 |
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遺言書がない場合は、相続人全員で相続財産の分割をします。 プラスの財産は相続人間で自由に分配できますが、マイナスの財産(負債)の分割については、債権者の承諾が必要となります。 また、相続税が発生する場合については、配偶者控除など、相続税の基礎控除以外の控除にも留意しながら、分割協議していくことが必要です。税務上、遺産分割のやり直しは通用しないと考え、しっかりと協議することが大切です。 どうしても相続人間の協議がまとまらない場合や、協議に参加協力しない相続人がいる場合には、家庭裁判所に遺産分割の調停を申立てることも検討します。 遺産分割調停の詳細はこちらをご覧ください 遺産分割調停 |
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不動産については、当事務所が登記申請を代理して行います。 預貯金等については、相続人が相続証明書類と遺産分割協議書により、解約・名義書換などを行います。 遺言書に遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者が相続人に代わり、各種手続きを行っていきます。 不動産の相続の詳細はこちらをご覧ください 不動産の相続 |
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相続開始後10か月以内に相続税の申告・納付を行う必要があります。(ただし、相続財産の価格が、明らかに相続税の基礎控除額に満たない場合には、申告をしない方が多いです) | |
被相続人がどのような健康保険・年金等・生命保険に加入していたか、また、勤めていた企業によって様々ですが、支給が受けられるものについては手続きを行います。
長期間放置しておくと、時効により消滅することも考えられるので、なるべく早い時期に手続きすることをお勧めします。
ただし、生命保険や死亡退職金等の契約内容によっては支給をうけると相続を承認することになるので、相続放棄を予定している方は注意が必要です。
・葬儀費・埋葬料
・死亡一時金・遺族年金・未給付年金
・生命保険
・死亡退職金 など